「人脈」ではなく「問題解決力」で選ぶ──中小企業に本当に必要な“顧問”とは
「顧問=つながりのある人」という常識は、もう時代遅れかもしれません。
中小企業にとって本当に必要なのは、想定外の事態にも対応できる“実践型の相談相手”です。
表面的な肩書きよりも、経営者とともに前に進む“問題解決の伴走者”が価値を発揮します。
人脈があるだけでは、企業が直面する数々の問題は解決できない
企業が顧問を置く理由は、外部との接点を広げたり、専門的な知見を得たりするためです。
大企業であれば、著名なOBや元幹部を顧問として迎え入れ、人脈や影響力を活かしてロビー活動や業界対応を担ってもらう──そんなやり方が成立することもあるでしょう。
しかし、中小企業がそれを真似しても、同じような効果が得られるとは限りません。
限られた経営資源のなかで成果を上げるには、「誰とつながっているか」といった“外向きのネットワーク”よりも、「目の前の課題をどう乗り越えるか」といった問題解決力が問われることの方が多いからです。
中小企業にとって本当に必要なのは、課題の本質を見極め、共に解決へと動いてくれる顧問です。
たとえば、ある製造業で、海外メーカーとの日本市場向け販売提携を進めていた際、交渉が何か月も進展しない状況が続いていました。
海外メーカーは「価格が高くても性能で勝てる」と自信を見せ、高いマージンを要求。一方で日本側の営業責任者は、「この価格では顧客に受け入れられない」と繰り返すばかりで、市場投入の戦略や打ち手は提示できていませんでした。
双方の主張は平行線をたどっていたのです。
そこで私が交渉の場に加わり、次のように整理しました。
「安全性が重視される製品においては、たとえ性能や価格が同等であっても、万一問題が起きたときに責められるのは現場の担当者です。
顧客にとっても、扱う営業にとっても、“乗り換える理由”が明確でなければ、リスクを取ってまで切り替える判断はできません。
だからこそ、まずは使ってもらい、実績をつくることが何よりも重要なのです。」
その場で私は、こう伝えました。
「ご希望の条件での販売も可能です。ただし、半年で目標の半分に届かなければ、在庫はすべて返品とさせていただきます。それが難しいようであれば、まずはこの価格・このマージンで始め、1年後に見直すという形でどうでしょうか。」
結果として、価格とマージンの再設定、および1年後の見直しを条件に提携がまとまりました。
交渉は、わずか2時間で決着しました。
現場の現実を踏まえた対話と設計がなければ、何か月かけても前には進まない。
顧問に求められるのは、問題の本質を見極め、それを解決するための現実的な打ち手を示すことだと、私は考えています。
異なる視点が、経営にブレークスルーをもたらす
「人脈があります」「紹介できます」といった顧問は多いですが、それだけでは、困難な局面を打破することはできません。
経営者と同じ方向から物事を見るのではなく、
- まったく異なる分野で培った知見を応用する力
- 当たり前だと思われている前提に気づき、問い直す視点
- 想定外のことが起きたときに、冷静に解決策を考え、提案できる判断力
これらを持つ人こそ、中小企業の「経営の助っ人」としての顧問にふさわしいと私は考えています。
私自身、これまで銀行、ファンド、製造業、サービス業など、異なる業界で経営の現場に身を置いてきました。
手掛けた企業は、全て初めて経験する業界でしたが、だからこそ“業界の常識”に縛られずに問題を捉えることができました。
顧問という立場でも、単に「相談に乗る」だけでなく、
「これまでとは異なる角度から解決の糸口を示す」ことを大切にしています。
とくに中小企業にとって必要なのは、不確実な状況でも経営者とともに立ち止まり、考え、前に進むための視点をくれる相手です。
「これまで経験したことがないトラブルに直面した」
「判断に迷っているが、相談相手がいない」
「専門家の話は聞いたが、実行するにはどうすればよいか分からない」
そんなときこそ、「視点を変え、選択肢を見つける力を持つ顧問」が、最も大きな支えになります。
i & Associatesの顧問サービス
i & Associates は、企業が直面する経営課題に対して、単なる分析や助言にとどまらず、経営者の視点と現場の実情をふまえた、実行可能な支援を提供しています。
コンサルタントとしての知見に加え、実際に企業を率いた経験を持つメンバーが、日々決断を迫られる中小企業の経営者に寄り添い、実践的で本質的な解決策の実行をサポートします。
📩 初回のご相談は無料です。
経営に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。